インプラント歯科論文抄読会 「大阪府豊中市岡町の歯医者・歯科審美学会認定医・まつもと歯科」

まつもと歯科医院ブログ

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インプラント歯科論文抄読会 「大阪府豊中市岡町の歯医者・歯科審美学会認定医・まつもと歯科」

こんにちは。

まつもと歯科院長 松本卓也です。

今月も新しいインプラント歯科論文を抄読いたしましたので掲載いたします。

 

即時埋入と早期埋入の審美領域におけるインプラント治療結果の比較。1年間のRCT研究。

Title:Immediate implant placement vs. early implant treatment in the esthetic area. A 1-year randomized clinical trial

Author:Algirdas Puisys、Viktorija Auzbikaviciute、Egle Vindasiute-Narbute、Mindaugas Pranskunas、Dainius Razukevicus、Tomas Linkevicius

Journal:Clin Oral Impl Res. 2022;33:634-655

 

PURPOSE

正常な歯槽骨を有する単独の上顎前歯インプラントの審美結果に対する、インプラントの位置と埋入時期の影響を評価すること。

MATERIALS AND METHODS

・この研究は、2018.06.01 から 2020.02.11 まで個人開業クリニックで実施された。

・上顎前歯 (切歯または犬歯) の欠損を示す患者 (18 歳以上)、抜歯する歯の歯肉退縮がない、隣接する前歯の歯槽骨に欠損がない、隣接する歯にインプラントがない、唇側の歯槽骨に損傷なし、非侵襲的な抜歯、単独のインプラント埋入。

・Deep biteの患者、全身疾患 (糖尿病、骨粗鬆症)、または ヘビースモーカー (1日10 本以上) の被験者は除外。

・歯の非侵襲的な抜歯に失敗した場合、インプラント埋入後、インプラントの初期固定 (少なくとも 25 Ncm) がない場合も、除外。

・試験群(抜歯即時インプラント)

直径3.3mm、長さ12~14mmのStraumann BLT インプラント (Straumann Bone Level Tapered、Roxolid ®、SLActive ®) を埋入。初期固定(25Ncm以上) を確認した。頬側骨壁とインプラントの隙間には、径0.5~ 2mmの同種海綿骨顆粒 (maxgraft®、botiss) を添入。CTGを上顎結節領域から採取し、6-0 ポリプロピレンモノフィラメント縫合糸で固定。プロビジョナル(NCテンポラリーアバットメント、Institut Straumann AG)を15Ncm でインプラントに固定した。咬合はさせない。

・コントロール(早期埋入)

対照群では、抜歯時にCTG を同様に行った。患者は部分床義歯を装着し、10日後、抜糸した。 6 週間の治癒後、直径 3.3 mm、長さ 12 ~ 14 の Straumann BLT インプラント (Straumann Bone Level Tapered、Roxolid ®、SLActive ®)を埋入した。GBRは0.5~2mmの同種海綿骨顆粒 (Maxgraft ® Botiss Biomaterials) を使用し、スクレーパー (Micross、Meta、Itlay) を使用して周辺領域から採取された自家骨と1:1の比率で混合した。コラーゲン膜 (Jason 膜、Botiss Biomaterials) を、固定ピン (titan ピン、Botiss Biomaterials) で固定した。治癒の4ヶ月後、2次手術を行い、15Ncmで、スクリュー固定の暫定クラウンをインプラントに装着した。2 か月後、オープントレー法によるシリコン印象採得を行い、Ti ベースを使用したスクリュー固定ジルコニアベースの補綴物を装着した。

・PES には 7 つの変数が含まれ: 近心乳頭、遠心乳頭、軟組織レベル、軟組織のカントゥア、歯槽隆起、色、質感。生存率と成功率、プロビジョナル レストレーションの切断後の出血、プロービング深度 (PD)、プロービング時の出血 (BOP)、およびプラーク インデックス (PI)を測定。

評価フェーズは、T1 は抜歯前、T2 (ベースライン) はインプラント埋入時、T3 は最終補綴物の装着時、T4 は装着後の 1 年間のフォローアップ時。

RESULTS

50人の患者 (1グループあたり25人) が、上顎前歯部にインプラントを受けた。1 年間の追跡期間中、インプラントの生存率100%、リコール率 100%。患者の年齢、性別、インプラントの位置と長さ、および歯肉のバイオタイプに関して、グループ間で違いは観察されなかった。両方のグループ内で、PES は時点 T4 よりも時点 T3 で統計的に有意に低かった。試験群では、PES は T4 で 12.8 ± 1.19 と比較して T3 で 12.4± 1.32 であった (p< .001)、対照群の PES は T3 で 11.9 ± 1.3 対 T4 で 12.5 ± 1.36 であった (p< .001) 。グループ間で PES に統計的に有意差はなかった (p= .362)。統計的に有意な差は、T4 での遠心乳頭でのみ観察され、試験群で優れた結果を示した。

抜歯から最終補綴物までのトータルチェアタイムは、グループ間で有意差があり (p< .001)、試験群では、対照群 (平均 259 分 ± 15 分) と比較して、半分の時間 (平均 127 分 ± 13 分) しか必要なかった。抜歯から最終補綴までの平均治療期間は、試験群で4ヶ月、対照群で8ヶ月。

CONCLUSION

この試験の範囲内では、両方の治療プロトコルは、1 年間の追跡調査後に PES >12 という優れた審美的結果をもたらした。インプラントの即時埋入は、治療時間を短縮し、患者ごとの外科手術の回数を減らし、患者の利便性を向上させるという利点がある。

 

抜歯即時インプラントは成功率がわずかに下がると言われておりますが、治療期間、手術回数軽減等のメリットがあります。

私もメリット、デメリットを考え、インプラントの手術術式を選択しております。

 

今後も豊中市の皆様の歯や口腔内の健康維持に寄与出来ればと思います。

 

こういう大変な時期ですが私も歯科医師として今できることを精一杯させて頂こうと
思っております。
では皆さま今日も一日頑張っていきましょう。
歯医者として豊中市の地域医療に歯科治療という形で微力ながら
貢献できますよう頑張ってまいりますので今後ともよろしくお願いいたします!
これからも
「大阪の豊中・岡町でよりレベルの高い歯科治療を提供出来る歯医者となるように」
努力したいと思います。

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